※変動率は、各地点の変動率の平均となります。(平均地価の変動率ではありません)
千葉県の最新の地価動向
千葉県の最新公示地価は平均13万7543円/m2(2023年[令和5年])、坪単価では平均45万4690円/坪で、全国順位は12位/47都道府県です。前年からの変動率は+2.70%で、変動率の順位は6位/47都道府県です。
最新基準地価は平均10万7937円/m2(2022年[令和4年])、坪単価では平均35万6819円/坪で、全国順位は9位/47都道府県です。前年からの変動率は+1.24%で、変動率の順位は7位/47都道府県です。
1983年(昭和58年)から40年分のデータがあり、公示地価の最高値は53万4449円/m2(1991年)、最低値は11万3165円/m2(2013年)で、両者の落差は4.72倍です。基準地価の最高値は44万6195円/m2(1990年)、最低価格は8万7260円/m2(2011年)で、両者の落差は5.11倍です。
宅地の平均地価は9万3849円/m2、坪単位では31万0246円/坪、変動率は+1.87%です(2022年)。商業地の平均地価は28万1192円/m2、坪単価では92万9563円/坪、変動率は+1.50%です(2022年)。
千葉県の中で土地が高額なのは、浦安市(39万1538円/m2)、市川市(33万5321円/m2)、船橋市(22万5136円/m2)、習志野市(20万9189円/m2)、松戸市(19万1925円/m2)です。千葉県の中で土地が低いのは、大多喜町(8340円/m2)、神崎町(9587円/m2)、九十九里町(1万0100円/m2)、長柄町(1万0375円/m2)、長南町(1万1950円/m2)です。
千葉県の地価の傾向と背景
千葉県の土地価格変動要因
千葉県全体の人口は増加傾向であり、流山市がもっとも増加数が多く、船橋市、市川市、柏市、千葉市と続いています。東京へ通勤する世帯のベッドタウンとしての住宅需要は根強く、東京近郊の市の住民数が増え、連動して地価も上昇しています。ただし柏市については東武野田線沿線および駅徒歩圏外のエリアの地価は下落基調となっています。流山市はつくばエクスプレス沿線の流山おおたかの森駅エリアの開発が続いており、地価が上昇し続けています。松戸市はJR常磐線沿線エリアを中心に地価動向は堅調です。浦安市、鎌ケ谷市、習志野市も都内通勤者に需要があり堅調です。東京湾東岸の木更津市、君津市、袖ケ浦市、市原市は東京湾アクアライン開通と三井アウトレットパーク木更津による生活利便性の向上の好影響が継続しており、地価上昇傾向が続いています。一方で、銚子市、旭市、匝瑳市などの房総半島東部エリア、勝浦市、鴨川市、南房総市、館山市などの房総半島南部エリア、香取市、印西市などの千葉県北部は下落傾向です。
千葉市の土地価格変動要因
千葉県の県庁所在地である千葉市の地価は上昇傾向です。千葉市中央区・花見川区・稲毛区のJR総武線沿線は利便性が高く上昇幅が拡大しています。しかし駅徒歩圏外の住宅地には地価が下落する土地もあります。千葉市美浜区もJR京葉線沿線を中心に地価上昇が続いています。千葉市湾岸地区は東日本大震災(2011年[平成23年])により液状化現象が起き、翌年に美浜区の住宅地の地価は大幅下落しましたが、千葉市は千葉市液状化対策推進委員会を設置して液状化現象の調査と対策に取り組んでおり、震災のマイナス影響は一段落して地価上昇に転じています。千葉市中心部の商業地も地価上昇が続いています。オフィスの新規供給は乏しく賃貸料は横這い気味です。JR千葉駅は駅舎・駅ビルの建て替えが行われ、2018年[平成30年]に新駅ビル「ペリエ千葉」がオープンしました。
千葉県の高速道路整備
千葉県内では高速道路網の建設工事が続いています。建設が進められている圏央道(首都圏中央連絡自動車道)に関して、2013年[平成25年]に東金-木更津東間が開通し、東京湾アクアラインへ直接接続しました。同区間内に市原鶴舞IC、茂原長南IC、茂原北ICが新設されました。2014年[平成26年]に稲敷-神崎間が開通しました。2015年[平成27年]に神崎-大栄間が開通しました。これに伴い圏央道を経由して常磐自動車道と東関東自動車道が結ばれました。残る区間である大栄-松尾横芝は2024年度に開通予定です。外環道(東京外環自動車道)に関しては、2018年[平成30年]に三郷南-高谷間が開通しました。これに付随して松戸IC、市川北IC、市川中央IC、京葉ジャンクション、市川南IC、高谷ジャンクションが新設されました。
千葉市の液状化対策事業
2011年[平成23年]発生の東日本大震災は千葉市にも強い揺れをもたらしましたが、特に千葉市美浜区において地盤の液状化現象が起こり、地面が隆起したり陥没したりしたため建物も損壊や傾斜をするなど大きな被害が発生しました。政府が定めた復興交付金制度には都市防災推進事業(市街地液状化対策事業)が対象となっており、千葉市は同制度を用いて市街地液状化対策事業を実施しています。千葉市はまず液状化対策事業計画を策定し、有識者からなる千葉市液状化対策推進委員会を設置しました。千葉市美浜区幕張西、磯辺、真砂を計画区域とし、住民の同意を得た磯辺3丁目、磯辺4丁目に液状化対策工事を行っています。液状化対策工法として、自然流下方式による地下水位低下工法が採用されました。
浦安市の液状化対策事業
東日本大震災は浦安市に大きな被害をもたらしました。浦安市の面積のじつに86%が液状化現象にみまわれたのです。地盤から土砂が噴き出し、道路は寸断され、電気・水道・ガスといったインフラ設備も損壊しました。家屋は約8700戸が被害を受けました。浦安市は元町地域、中町地域、新町地域、アーバンリゾートゾーン、工業ゾーンの5地域からなりますが、元町地域を除き埋立地であるため、液状化しやすい地盤構造となっていました。浦安市では浦安市液状化対策技術検討調査委員会を設置し、その検討結果を踏まえ液状化対策実現可能性技術検討委員会を新たに設置し、液状化対策事業の工法やリスクを検討してその実現可能性を検討しました。各地区の被害状況を調査し、住民説明会をひらき、対策工事について住民の同意を得ようとしています。しかし住民の同意を取り付けることは容易ではなく、難航しています。工事費の自己負担額が約100万~400万円と高額であることもネックになっています。工事の実施が決まったのは当初の予定の1割にすぎない3地区で、弁天2丁目、舞浜3丁目、東野3丁目です。工事が決まった地区でも問題が噴出しており、舞浜3丁目では地中から多量の布製の排水材がみつかったため工事が中断に追い込まれました。弁天2丁目では一度は同意していた住民が、同意書を無効とする文書を浦安市長に提出しました。
ペリエ千葉
JR千葉駅の駅ビル建て替え計画が東日本旅客鉄道株式会社 千葉支社と株式会社千葉ステーションビルにより行われ、新駅ビル「ペリエ千葉」が2018年[平成30年]にグランドオープンしました。ペリエ千葉は地下1階(ペリチカ)~地上7階で構成されます。テナントには東急ハンズ、成城石井、くまざわ書店、JTB、マツモトキヨシ、パンダ薬局、コンタクトのアイシティ、ラフィネ(リラクゼーション)、ほけん百花、千葉駅総合クリニック、千葉駅すばるクリニック、アイクリニック千葉、スターバックス、タリーズコーヒー、京都 宇治茶 錦一葉、PABLO mini(焼きたてチーズタルト専門店)、AKOMEYA TOKYO(食品・雑貨)、BIRTHDAY BAR(生活雑貨)、丸亀製麺、マクドナルド、魚力、澤光青果、TAKAGIFOODS、農家の家せんのや、すし天(寿司・天ぷら)などが入っています。7階のペリエホールは多目的ホールになっています。
※変動率は、各地点の変動率の平均となります。(平均地価の変動率ではありません)