※変動率は、各地点の変動率の平均となります。(平均地価の変動率ではありません)
岡山県の最新の地価動向
岡山県の最新公示地価は平均6万3858円/m2(2022年[令和4年])、坪単価では平均21万1100円/坪で、全国順位は21位/47都道府県です。前年からの変動率は-0.13%で、変動率の順位は22位/47都道府県です。
最新基準地価は平均4万7432円/m2(2022年[令和4年])、坪単価では平均15万6802円/坪で、全国順位は19位/47都道府県です。前年からの変動率は-0.37%で、変動率の順位は20位/47都道府県です。
1983年(昭和58年)から40年分のデータがあり、公示地価の最高値は21万3189円/m2(1991年)、最安値は5万9834円/m2(2013年)で、両者の差異は3.56倍です。基準地価の最高値は14万8446円/m2(1991年)、最安価格は4万2867円/m2(1983年)で、両者の差異は3.46倍です。
宅地の平均価格は3万7092円/m2、坪単位では12万2618円/坪、変動率は+0.09%です(2022年)。商業地の平均価格は11万0322円/m2、坪単価では36万4703円/坪、変動率は+1.20%です(2022年)。
岡山県の中で土地が高価格なのは、岡山市(11万1831円/m2)、早島町(5万9450円/m2)、倉敷市(5万8609円/m2)、笠岡市(3万9390円/m2)、総社市(3万7861円/m2)です。岡山県の中で土地が低いのは、西粟倉村(3900円/m2)、新庄村(4195円/m2)、吉備中央町(5922円/m2)、美咲町(7215円/m2)、鏡野町(7467円/m2)です。
岡山県の地価の傾向と背景
岡山県の土地価格変動要因
岡山県の住宅地の地価は岡山市と早島町のみが上昇傾向で、ほかの市町村は下落傾向です。県庁所在地であり政令指定都市の岡山市は中心部エリアを含む北区と中区で地価が上昇しています。早島町は岡山市と倉敷市に隣接しており、JR宇野線(宇野みなと線/瀬戸大橋線)の沿線でもあり交通の便がよく、ベッドタウンとして人気があるため地価が上昇基調です。2018年[平成30年]に発生した「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)で甚大な浸水被害のあった倉敷市真備町は2019年[平成31年]公示地価において全国最大の地価下落率を記録しました。津山市など山間部の市町村は少子高齢化がすすみ、地価下落が続いています。商業地の地価は岡山市、倉敷市、早島町、里庄町の中心部でゆるやかな上昇傾向です。倉敷駅前に三井アウトレットパーク倉敷が2011年[平成23年]にオープンし、岡山駅前にはイオンモール岡山が2014年[平成26年]にオープンしました。ほかにも国道沿いに郊外型の商業施設があり岡山県全域から集客しています。一方で旧来からの商店街は客足が離れ苦境が続いています。倉敷市玉島地区には2017年[平成29年]に倉敷みなと大橋が開通し、玉島ハーバーアイランドへの企業誘致に向けプラス要因となっています。
岡山市の土地価格変動要因
岡山県全体の地価が下落基調であるなか、県庁所在地の岡山市の地価はゆるやかな上昇基調です。岡山県全体の人口が減少しているなかで岡山市の人口は増加傾向にあります。中国・四国地方の中核都市の一角として全国的にみられる人口二極化傾向の恩恵にあずかっていると言えます。岡山市は「岡山市人口ビジョン」「岡山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定して人口減少対策プロジェクトに取り組んでいます。岡山駅、岡山県庁、岡山市役所のある北区がもっとも地価上昇しています。2014年[平成26年]、岡山駅前にイオンモール岡山が開業しました。大型ショッピングモールは傾向として郊外に立地しますが、政令指定都市の中心駅前にできるは全国的に稀です。中区は北部のJR山陽本線沿線の地価は上昇していますが、南部の地価は下落傾向です。東区は西大寺エリアで地価が上昇していますが駅から遠い地区は下落しています。南区は国道2号沿いの地価は上昇傾向ですが南部および児島地区は下落傾向です。JR西日本は吉備線(桃太郎線)のLRT(Light Rail Transit/ライトレール)化を検討しており、2018年[平成30年]に岡山市・総社市と合意しました。駅と運行本数を増やしての開業が予定されています。
倉敷市の土地価格変動要因
倉敷市は岡山県内で岡山市に次いで人口の多い自治体で、人口は近年横這い傾向です。倉敷市の市域は広く、倉敷地域・水島地域・玉島地域・児島地域の4地域からなります。倉敷駅や美観地区を擁する倉敷地域は地価上昇傾向ですが、水島地域の地価は横這い傾向、玉島地域・児島地域の地価は下落傾向です。倉敷駅前には商業施設の天満屋 倉敷店、アリオ倉敷があり、2011年[平成23年]には三井アウトレットパーク倉敷が開業しました。さらに倉敷駅西方1kmにはイオンモール倉敷もあり、倉敷市の商業は倉敷地域に集中しています。倉敷駅南方には倉敷美観地区があり、国内外から観光客を集めインバウンド経済効果がもたらされています。2018年[平成30年]に「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)が発生し、冠水被害のあった倉敷地域北西部の真備町は2019年[平成31年]公示地価において地価下落率が全国最大となりました。水島地域・玉島地域・児島地域には水島臨海工業地帯がまたがり存在し、水島コンビナートを形成しています。水島港は水島地域・玉島地域にまたがります。三菱自動車工業(水島地域に水島製作所)は2016年[平成28年]に燃費不正問題が発覚したため一時売上が落ち込みましたが、生産台数は回復傾向です。玉島地域の南端には人工島の玉島ハーバーアイランドが地場産業の拠点や国際コンテナターミナルとして整備が進んでいます。2017年[平成29年]に水島地域と玉島地域を結ぶ倉敷みなと大橋が開通し、企業誘致を行っている玉島ハーバーアイランドのアクセシビリティが向上しました。
※変動率は、各地点の変動率の平均となります。(平均地価の変動率ではありません)