質権・留置権
質権と留置権の違い
質権
・質屋など
・お金を貸すときに、人質として物を預かる権利
・預かる物の価値で、貸す金額を決める
留置権
・金を払うまで物を返さなくていい権利
◇違い
契約
・質権:契約をして成立
・留置権:契約なしで認められる権利
物上代位
・質権:あり
・留置権:なし
留置権のイメージ
ニワトリが病気になったので、動物病院に入院させた
↓
動物病院がニワトリを治療
↓
治療費を払わない
↓
動物病院は怒り、治療費を払うまでニワトリは返さない →留置権
◇留置権の発生要件
・そのものから発生している債権である
→ニワトリのほかにハトも入院させた。ハトの治療費は払った。留置権があるのはニワトリだけ
・物を占有している
→動物病院がニワトリを返してしまった。留置権は発生しない
・弁済期になっている
→治療費を全額払う期限を迎えていることが条件
・物の占有が不法行為で始まっていない
→動物病院がニワトリを盗んで入手したなら留置権は発生しない
◇留置権者の権利
・物が生み出した利益を受け取れる
→留置しているニワトリが卵を産んだら、卵は動物病院のものにできる
・かかったお金を請求できる
→動物病院はニワトリのエサ代を請求できる
物上代位のイメージ
物上代位
・質権:あり
・留置権:なし
質屋が預かっているニワトリが死んでしまった
→質屋は、ニワトリにかけられていた保険金を受け取れる
動物病院が留置しているニワトリが死んでしまった
→動物病院は、ニワトリにかけられていた保険金を受け取れない
この違いが生じる理由
・質権は、ニワトリ自体の価値を担保にした権利
・留置権は、治療費を払うよう間接的に促すためだけの権利