都市計画法
全体像
区域/地域/地区/地区計画
大きさ
区域>地域>地区>地区計画
覚え方
地区計画(ちっけー)
都市計画法の全体像
・都市計画区域/準都市計画区域
・区域区分
・用途地域
・補助的地域地区
・地区計画等
・開発行為
・都市計画事業
・都市施設
・市街地開発事業
日本全国
日本全国
・都市計画区域
・市街化区域
・市街化調整区域
・非線引き都市計画区域
・準都市計画区域
・都市計画区域・準都市計画区域外
重要な3つ
都市計画区域→市街化区域→用途地域
市街化区域は都市計画区域内に指定され、用途地域は主に市街化区域内に指定される
街づくりの手順
1.都市計画区域・準都市計画区域の指定
2.都市計画の決定
3.都市計画制限
都市計画の決定権者
都道府県
・マスタープラン
・区域区分
市町村
・用途地域
・地区計画等
原則として市町村
都道府県が決定するものもあり
・補助的地域地区
・都市施設
・市街地開発事業
・市街地開発事業予定区域
市町村が決定する場合
市町村が、都市計画区域または準都市計画区域について都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議すれば足りる。
○か×か
○
※市も町村も「協議」で足りる。「同意」は不要
バッティングした場合
都道府県の都市計画と市町村の都市計画がバッティングしたら、都道府県が優先
都市計画区域/準都市計画区域
都市計画区域とは
一体の都市として★総合的に整備・開発・保全するべき区域
「一体の都市として」なので、複数の都府県や市町村にまたがっていてもよい
準都市計画区域
放置すれば将来的に都市計画に支障をきたす区域
都市計画区域を指定する者
都道府県
ただし、複数の都府県にまたがる場合は国土交通大臣
準都市計画区域を指定する者
都道府県
準都市計画区域で定めることができる都市計画
・用途地域
・特別用途地区
・特定用途制限地域
・高度地区(※高度利用地区は定められない)
・景観地区
・風致地区
・緑地保全地域(※特別緑地保全地区、緑化地域は定められない)
・伝統的建造物群保存地区
◇準都市計画区域で定められない都市計画の例
・区域区分(市街化区域/市街化調整区域)
・高度利用地区
・防火地域、準防火地域
・都市施設
・市街地開発事業
・地区計画
区域区分
区域区分とは
都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分ける都市計画
↓
市街化区域、市街化調整区域は、必ず都市計画区域内である
区域区分の決定権者
都道府県
市街化区域/市街化調整区域
・市街化区域:既に市街地、および約10年以内に市街化するべき区域
・市街化調整区域:市街化を抑制するべき区域
線引きの要否
市街化区域と市街化調整区域の線引きは必ず行わないといけないわけではない
線引きされてない都市計画区域
→「区分区域が定められていない都市計画区域」(俗称:非線引き都市計画区域)
ただし、首都圏整備法、近畿圏整備法、中部圏開発整備法では必ず区域区分を定める
用途地域
用途地域とは
市街化区域を用途によって13種類に区分
用途地域
住居系
・第1種低層住居専用地域
・第2種低層住居専用地域
・田園住居地域
・第1種中高層住居専用地域
・第2種中高層住居専用地域
・第1種住居地域
・第2種住居地域
・準住居地域
商業系
・近隣商業地域
・商業地域
工業系
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
区域区分と用途地域の関係
用途地域は主に市街化区域に定める
・市街化区域:必ず用途地域を定める
・市街化調整区域:原則として用途地域は定めない
用途地域の決定権者
市町村
田園住居地域
原則
・田園住居地域の農地で、土地の変更、建築、土石の堆積を行う者は、市町村長の許可を受けなければならない
考え方
用途地域の決定権者が市町村なので、市町村長が許可
例外
・通常の管理、政令で定める軽易な行為
・非常災害のための必要な応急措置
・都市計画事業として行う行為
補助的地域地区
補助的地域地区とは
用途地域を補う区分け
主な補助的地域地区
・特別用途地区
・特定用途制限地域
・特定街区
・高層住居誘導地区
・高度地区
・高度利用地区
・風致地区
・防火地域・準防火地域
補助的地域地区の決定権者
原則として市町村
都道府県が決定するものもあり
特別用途地区
用途地域内に、地方公共団体が自由に定める。文教地区など
考え方
「用途」地域に「特別」な補完をする
国土交通大臣の許可を得て用途地域制限を緩和できる
特定用途制限地域
用途地域外(市街化調整区域を除く)に、制限を定める
考え方
特別用途地区だと用途地域外に制限を定められないので、これがある
特定街区
街区(ブロック)に統一感をもたせる
容積率、最高限度、壁面の位置を制限
高層住居誘導地区
指定できる地域
・第1種住居地域
・第2種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・準工業地域
第1種・第2種中高層住居専用地域には定められない★
考え方
・誘導したいのであって、元から高い第1種・第2種中高層住居専用地域は除外
・混在系の用途地域
逆にいえば、「専用系の用途地域」、すなわち、低層住居専用地域、中高層住居専用地域、商業地域、工業地域、工業専用地域は対象になっていない
出題文に「誘導」とあったら該当している可能性が高い
ちなみに、芝浦と東雲の2ヵ所しかない
高度地区
建築物の高さの最高限度または最低限度を定める
高度利用地区
建築物の高さの制限なし★
考え方
高さを定めるのは高度地区!
地区計画等
地区計画とは
駅前の再開発のように、地区の実情にあったきめ細かな都市計画
地区計画を定められる場所
・用途地域内
・用途地域が定められてない区域で、一定の条件を満たす場合
地区計画の決定権者
市町村
地区計画の制限
(市町村は)地区施設、地区整備計画を定めなければならない
他は努力義務
土地の変更、建築を行おうとする者は、着手する日の30日前までに、市町村長に届け出なければならない
改正点
市町村は、条例で、地区計画の区域内の農地の土地の形質変更について、市町村長の許可を受けなければならないこととすることができる
開発整備促進区
・第2種住居地域~工業地域
・用途地域外(市街化調整区域を除く)
開発行為
開発行為の規制
開発行為をしようとする者は原則として都道府県知事の許可を得なければならない
※都市計画区域・準都市計画区域外でも原則として許可が必要
開発行為の規制の目的
市街化区域と市街化調整区域の線引きを守る
(建築制限の目的も同じ)
開発行為とは
建築物・特定工作物の建設のために土地を造成すること
あくまで土地の造成!
◇特定工作物とは
・第1種特定工作物
・コンクリートプラント
・アスファルトプラント
など
・第2種特定工作物
・ゴルフコース
・1ヘクタール以上の野球場、庭球場、遊園地、墓園など
※1ヘクタール=10,000m2
1ヘクタール未満の野球場、庭球場、遊園地、墓園などは特定工作物にあたらず、許可不要★
(市街化調整区域であったとしても)
覚え方
小さい野球場どこでも作れちゃう!
※特定工作物でも、下記「小規模な開発行為」に該当すれば許可不要
例外として許可なく開発行為できる場合
すべての区域に共通する例外
・公益上必要な建築物:図書館、博物館、公民館、駅舎、変電所など※1
・都市計画事業、土地区画整理事業、市街地開発事業など★
・仮設建築物(車庫、物置など)
・非常災害のための必要な応急措置
※1
学校、医療施設、社会福祉施設は該当しない
(金儲けなので)
区域によって異なる例外
1.小規模な開発行為
・市街化区域内:1,000m2未満
・非線引き都市計画区域内:3,000m2未満
・準都市計画区域内:3,000m2未満
・都市計画区域・準都市計画区域外:1ヘクタール未満
※市街化調整区域では、小規模な開発行為の例外は適用されない
2.農林漁業用建築物や農林漁業を営む者の住居
※市街化区域では適用されない(ただし1,000m2未満なら許可不要)
※農林漁業用建築物:畜舎、蚕室、温室、堆肥舎、サイロなど。農産物の加工場や貯蔵に必要な建築物は該当しない
覚え方
・市街化調整区域は開発してほしくないので、小規模でも許可が必要
・田舎で農林漁業用建築物作るのは勝手にやっていいけど、渋谷のド真ん中にできたら困る
注意!
「都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内」とは、「外」のこと!
→1ヘクタール未満なら許可不要
整理:許可不要
1から順に、該当し次第、許可不要
1.とにかく許可不要
・1ヘクタール未満の野球場、庭球場、遊園地、墓園(開発行為に該当しないので)
・図書館、博物館、公民館、駅舎、変電所
・都市計画事業、土地区画整理事業、市街地開発事業
・仮設建築物
・非常災害のための必要な応急措置
2.一定面積未満なら許可不要
・市街化区域内:1,000m2未満
・非線引き都市計画区域内:3,000m2未満
・準都市計画区域内:3,000m2未満
・都市計画区域・準都市計画区域外:1ヘクタール未満
3.農業関係
・市街化区域を除き、農林漁業用建築物・農林漁業を営む者の住居
↓
3まで該当しなかったら許可必要
開発行為の事前手続き
都道府県知事に許可を申請する前に必要な事前手続き
1.関係がある公共施設の管理者と協議し、同意を得る
2.開発行為で新たに設置される公共施設の管理者との協議
3.開発区域内で権利を有する者の相当数の同意を得ること
↓
土地所有者等の相当数の同意を得れば開発許可を申請できる
×全員
※相当数:人数と面積で2/3以上
開発行為の許可申請
申請書の記載事項
・建築物等の用途
など
添付書類
1.関係がある公共施設の管理者の同意を証する書面
2.開発行為で新たに設置される公共施設の管理者との協議を示す書面
3.開発区域内で権利を有する者の相当数の同意を得たことを証する書面
開発許可の基準
自宅建築でも求められる
・用途地域等の制限に適合
・排水施設
許可・不許可の処分
許可でも不許可でも、申請者に対して文書による通知が必要
都道府県知事による建築規制の対象
都道府県知事は、用途地域の定められていない区域における開発行為に許可をする場合、以下の制限を定めることができる
・高さ
・建蔽率
・壁面の位置
・敷地
・構造
・設備
地位の承継
特定承継
開発許可を受けた者から、開発行為をする権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、地位を承継することができる
一般承継
相続人は地位を承継する
開発行為の内容の変更
原則
申請書の内容を変更しようとする場合、都道府県知事の許可を得なければならない
例外
開発許可が不要な基準まで落とす場合、許可は不要
例:市街化区域で1,000m2未満に縮小する場合
開発行為の廃止
遅滞なく都道府県知事に届け出なければならない
工事完了後の手続き
完了した旨を都道府県知事に届け出なければならない
開発行為により設置された公共施設は、原則として市町村の管理に属する
開発区域内の建築制限:工事完了の公告前
開発許可後~工事完了の公告前
原則
・建築物・特定工作物の建設はできない
考え方
開発行為はあくまで土地の造成!
建築物は建てられない
例外
・開発行為に関する仮設建築物等
・都道府県知事が支障ないと認めた
・開発行為に同意していない土地所有者等による建築
開発区域内の建築制限:工事完了の公告後
原則
・開発許可された建築物・特定工作物以外は建設できない
例外
・都道府県知事が支障ないと認めて許可したとき
・用途地域が定められている場合★
開発区域外の建築制限
原則
・市街化調整区域のうち、開発区域外では、都道府県知事の許可がなければ、建築物・第1種特定工作物を建設できない
例外(市街化調整区域のうち、開発区域外でも建てられる)
・公益上必要な建築物:図書館、公民館、駅舎、変電所など
・都市計画事業
・非常災害のための必要な応急措置
・農林漁業用建築物や農林漁業を営む者の住居
・仮設建築物
◇
「開発許可を受けた開発区域以外の区域内」とは
開発許可を受けてない土地
開発行為:まとめ
許可・届出はすべて都道府県知事
都市計画事業
都市計画事業とは
下記2つの総称
・都市施設
・市街地開発事業
◇
都市施設・市街地開発事業のための、土地買収・造成工事・建築工事
都市計画決定とは別に都道府県知事等の認可が必要であり、より厳しい制限がかかる
都市計画事業制限
・都市計画事業の障害となる土地の変更や建築は、都道府県知事等の許可が必要
・事業地内の土地建物を売ろうとする者は、施行者に届け出なければならない
×許可
考え方
譲渡はそんな重要じゃないので届出で十分
都市施設
都市施設とは
公共施設を計画的に設置する都市計画
◇ポイント
・都市計画区域外にも定めることができる(そうしないと道路などが境界線上で寸断するため)
・市街化区域と非線引き都市計画区域には必ず道路、公園、下水道を定める
(市街地開発事業の対象と同じ区域)
・住居系の用途地域には必ず義務教育施設を定める
「都市計画施設の区域内」とは
都市施設の設置が決定された区域
「都市計画施設の区域内」での制限
原則
・都市計画施設の区域内で建築をする者は、都道府県知事等の許可を得なければならない
例外
・政令で定める軽易な行為
・非常災害のための必要な応急措置
・都市計画事業として行う行為
市街地開発事業
市街地開発事業とは
土地区画整理事業など、役所自らが取り組む都市計画
市街地開発事業を定めれる場所
・市街化区域
・非線引き
市街地開発事業での制限(「都市計画施設の区域内」と同じ)
原則
・都市計画施設の区域内で建築をする者は、都道府県知事等の許可を得なければならない
例外
・政令で定める軽易な行為
・非常災害のための必要な応急措置
・都市計画事業として行う行為
市街地開発事業等予定区域とは
市街地開発事業のために早めに土地を押さえておく
※なぜか、市街地開発事業等予定「区域」という。「地域」の方が分かりやすいのだが…
施行予定者を定める
覚え方
予定には予定者!
まとめ
都市計画:まとめ
非常災害の応急措置は無敵!
市町村長の出番
・用途地域を決定
・田園住居地域での許可
・地区計画での届出